『鉄ミュ西武スピンオフ』における西新と安比奈への、私の感想。
西武スピンオフの西新と安比奈の関係性に悶えたので色々書きます。
超個人的な意見で、偏りしかない駄文なので本当に優しい気持ちで見ていただけると幸いです。
『この好意に名前は付かない』
前回公演の『東海道兄弟SHOW』から『in the box.』の高低差がえげつなすぎる流れから薄々今回もヤバいんだろうな、とは薄々思っていたのですが、
まさか『西武園競輪場で僕と握手』から『この好意に名前は付かない』に行くとは思いませんでした…!
しかも『in the box.』で最高の働きをしてくれた椅子もあるじゃないですか…!!
初日、BC間の通路から出てくる村山をとてつもなくびっくりして見ていたのが今となっては良い思い出です…。
今回、西武新宿(村山)役の橋本さんの演じ分けが凄く素敵で、とても良かったと個人的に思っています。めちゃくちゃにカッコよくて、もう気付いたら目で追ってしまう…!それくらいに凄く素敵だった。
特に、橋本さんはすごく綺麗に眉を整えているので、
眉の見えない西新と、眉の見える村山では表情の印象が大きく変わるなぁ、と思いました。
西新は少し長めの前髪の為前の方の席の方くらいしか細かい表情が見えないじゃないですか。でも村山になると前髪が軽く横分けなので片眉は完全に見えてる状態になっています。
細めに整えられた眉も、オシャレに気を使う村山らしく見えて個人的に凄く好きなポイントでした。
それに加えて、台詞の口調や言い回しなどが感情的なものが多いので、表情の細やかな変化がしっかり見える。これだけで見てる側の印象って大きく変わるんじゃないかと思います。
あと、西新の時と村山の時で足の組み方が違うのも凄く好きでした。西新はコンパクトな足の組み方でしたが、村山は膝の上に逆の足の踝をのせる組み方。分かりやすく、動きの荒っぽさなどを表している様で好きです。
それと反対に、西新と村山で共通している点も多い様に思えました。
両手を背中でグーハートの様にしているあのポーズ。先生のマシュマロにも来てたけど、多分たくさんの西新の女がそのポーズにときめいてたと思いますが、あれは西新と村山どちらもしているポーズでしたね。
そして、手のひらに顎を乗せる癖。
あれって西新の時にしてる印象が強いのですが、原作だと村山が社員に詰め寄られてる時と、ルンバ猫の話の時にしてるポーズなんですよね。
多分、村山の頃からの癖、という感じなのでしょうか…?
(でも、ミュだと微妙にこのポーズではなかった気もする…。配信の時も、口元に手を持っていってたけど頬杖ではなかった)
そして、ようやく『この好意に名前は付かない』本編の内容について触れていきたいと思います…!
個人的に演出で好きだったのは、今日の献立を聞く安比奈が村山と武蔵野より一段上のステージにいることです。
スペース上の問題だと思うんですが、
私の個人の感想として、これって安比奈が村山にとって少し違う立ち位置にいたって事なのかな、と。だから、村山はジャンプして無理矢理安比奈の発言を止めようとしているのでは、と思うわけです。これは個人的な意見なので適当に流してください。
まぁ、村山単体の話は上記のもののみとして、村山と安比奈の歌唱シーンの感想を。
このシーン、めちゃくちゃエモい…!
いやもう原作がエモいんだけど、ステージ上で生で見るともう何が何だかわからなくなる…。
まずは歌詞について。
この歌詞、原作に少し言葉を足しててそれがなめちゃくちゃ内容の重みを増す理由になっていると思います。
二人のデュエット曲の終盤、村山のソロ部分の歌詞。
『安比奈 いつか お前の お前の未来は 俺が絶対ちゃんとしてやるよ 約束するよ』
ですが、原作だと
『絶対』と『約束するよ』が無いんですよね。あと『ちゃんとするからな』と。
それに加えて、安比奈の『信じてるよ』も原作には無いセリフですよね。
この言葉だけで、もうめちゃくちゃ二人の関係性って見てる側に分かりやすくなってる。
昨年の鉄ミュ感想ブログを書いた時にも似たような事を書いてた気がするのですが、ミュになるにあたってやはり重要なのは、見てる側が分かりやすく理解しやすいもの、だと思うんです。
そうなると、やはり今回の西武スピンオフでは西新(村山)と安比奈の関係性が大きい。
特に初見の人とか、原作を知らない人(特に『この好意〜』は商業コミックスでは無いので読んでない人もいる前提にしないと難しいのではないか)が、なるべく疑問を持たずにプロポーズに持ち込ませるには、この台詞のインパクトの強さが重要だったと私は考えています。
だからこそ、ミュの西新ってめちゃくちゃ重い感情を安比奈に向けてる様に思えるんですよね。
そして、この歌唱シーンの動きについても個人的に悶えるポイントがあったので、つらつら一人語りしたいと思います。
今回のこのシーン、円形ステージに描かれた線路を上手いこと使ってるんですよね…!
正直これは個人の受け取り方だし、私も十二公演目にしてやっとお導き席に座り、2列目(前の席が4席いらっしゃらなかったので実質一列目だと思ってる)に座って気づいたことなんですが、
安比奈が村山の肩を叩いてから
『村山は 西武村山のままなんだから 別に良いじゃん』と歌うシーン、円形ステージの12時の位置から3時のあたりへ、線路の絵の上を歩いて向かいます。
そして、村山は歌いながら反時計回りで9時のあたりへ移動しますが、安比奈のパートになり安比奈が村山のいる方へと歩くため、村山は逆方向へと逆向き(時計回り)で移動します。
このシーンって、今までの現代パートの西新と安比奈の距離感から見ると、村山が結構安比奈のことを拒否してるというか、距離をとってる(測りかねている?)ように思えるんです。
二人して時計回りで円形ステージを歩いたあと、
『最後の晩餐は大事だからね』のあたりから二人は止まります。村山は3時、安比奈は9時のあたりです。
しかし、ここでそれまで線路の上を歩いていたのが、安比奈が村山の方は向かってまっすぐ向かっていきます。安比奈が線路から外れたのです。
ここに気が付いた時、めちゃくちゃ衝撃的で「安比奈は先に線路から降りてしまうのか…」とこれから起きる廃線について考えてしまい、なんて凄い演出なんだろうと感動しました…。
そしてここで先ほどの村山のソロになり、二人は背中合わせになります。
『二人の未来に乾杯』という歌詞も、原作には無い。前回の『in the box.』でも二人である重要性が大きいと考えているのですが、この二人もそれが顕著に表れているキャラクターです。
ABブロック間の通路へハケる時の村山が少し微笑んだいたのが印象的でした。以上。
『西武鉄道、53年目の決断』
前回に引き続き、会場がクラブeX。ここの円形劇場ってめちゃくちゃ演者さんがセンターステージに出てくる時の表情が見やすいですよね。
廃線を告げられる安比奈。このシーンになってようやく安比奈の仮面が外れる。
これ、一つ前の『せいぶの!れいるず』でハケる西新に安比奈がそれまで付けていた仮面を渡しているのですが、
表面(面の外側)を上にして安比奈は渡して、受け取った西新がそれをゆっくりひっくり返して裏面(顔に触れる、面の内側)を上にしているの、凄く安比奈のお面を丁寧に取り扱っているようで、とてもトキメキました。
でも、ニコニコの配信だと暗転しているから写っていないんですよね…。残念だなぁ…。
廃線を告げられた安比奈、ここでようやく素の表情が見える(丸の内はノーカウント)ので、余計に安比奈の辛い感情がよく分かると思います。
安比奈役の渡辺さんは目元に笑い皺が出来るタイプの方なので、凄く笑った時の笑顔が素敵で、表情が細かく変わるので、本当に兼ね役もスムーズにこなしてて凄いですよね…!
そして、廃線を告げられた安比奈の元へ行く西新の表情も暗いけどよく見える。このシーン今までと違ってあまり口角が上がってない回が多いように思いました。(座席によって見えない日もあったため、全公演とは言えないが)
西新がハケる時も、それまでのハロウィンの際の笑顔や、先ほどの村山の笑顔など基本口元が笑っているイメージなのですが、ここでは笑っていません。原作に比べてミュの西新は、感情表現が豊かな気がします。
色々書きたいのはあるのですが、今回は二人の関係性について書くので、少し話は飛んで安比奈が出て行くと啖呵を切るシーンについて。
少し本題から逸れますが、
西新が安比奈に声を掛けて呼び止めるシーン、基本は西新が舞台上の段差を上がるあたりで声を出していたのですが、
4公演目(多分11日土曜ソワレ)にて、安比奈の移動が早かったのか西新の声掛けが、AB間の通路4列目あたりでしていて、これはこれでめちゃくちゃ焦りの様な感じがして良かったです…。
本題ですが、プロポーズシーンの新宿は安比奈に抱きつかれた後、驚いた表情をしているんですよね…。あれ、公演中ずっと気になっていて結局自分の中で分からずじまいで、未だにどういう感情なんだろうと思っています。
抱きつかれたシーン、原作だと西新は笑っています。
ミュではあんなに冷静にプロポーズした割に、OKを出されて驚いている。西新的には一か八かの賭けだったのかなぁ…。まぁ、分からないんですけどね。
ここと少し自分の中でリンクするシーンが『怨霊廃線VR』です。
これ、原作と次回列が変わっているので、原作では最後に『西新は嫁の事にはすぐキレるのだ』って書かれてるけど、ミュだと『新宿は安比奈の事にはすぐキレるのだ』になっている。
確かにプロポーズシーンを終盤に持っていけばナレーションがそうなるのは当たり前なんですが、原作では『嫁だから』という責任感で西武園を叩いたのが、ミュでは他でも無い『安比奈のため』なんですよね。
ここも西新の激重ポイントです…!
しかも、原作では笑っているのにミュは笑っていない。ミュの西新は凄く人間的というか感情表現が原作に比べて分かりやすい。だから、西新と安比奈の関係がとてもストーリーの中で際立つのではないでしょうか?
それと、最後に。
個人的に凄く思っていたのが、ミュの西新は笑顔以外の表情も沢山あるけど、基本的に安比奈に向けているものは笑顔だけなように思いました。
西武園を叩いた後の表情も、安比奈がその場にはいるものの、安比奈には向けていない。
プロポーズ後の驚いた表情も、安比奈が離れてからは笑顔に変わっている。
など。
ここも、西新が安比奈に対してなにか大きい感情を抱いているのかなぁ、と見ている側に思わせるポイントだったと思います。
『安比奈 いつか お前の お前の未来は 俺が絶対ちゃんとしてやるよ 約束するよ』
という言葉を
『結婚しよう 俺がお前に 存在理由をやる』
という言葉で、フラグ回収してしまうんだから、そりゃ凄い関係性ですよね…!
そんなこんなで長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださった心優しい皆様、ありがとうございます!!
このブログ書いてたら色々と感想を思い出してきたので、ツイッターでダラダラ書こうと思います。
また、次の鉄ミュまでドキドキしながら待っています。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!!
『in the box.』におけるちよばんの解釈。
ミュのin the box.を見て思った事と、個人的な解釈について、のブログになります。
まず最初に、黎明編の中でも『in the box.』という物語は青鉄や鉄道史に詳しくない人でも分かりやすい話だと思うんですね。
3.11について、多分劇場にいる人のほとんどは、痛いほど理解していると思います。実際に当時のニュースを見ていた人(年齢的な意味で)は多いのではないでしょうか。
下山事件も調べたらすぐ出て来ますし、鉄道好きではない方にも想像しやすい事件だと思います。
そう考えると、常磐の(表面的な)感情の変化というのも比較的想像しやすいというか、分かりやすいのではないでしょうか。
それに比べて、千代田の感情は所々分かりにくいですよね。まず彼は何故、わざわざ挨拶に来てくれた常磐に対して挑発的な言葉を言ったのか。
常磐は路線的に遥かに先輩だし、こんな事を言って、どう考えてもメリットなんてないと思います。
しかし、この考えは逆に言えば、起承転結の起になります。(漫画・舞台だから当たり前ですが)
だからこそ、後の千代田のセリフ(例えが通じない〜での『冗談言うの苦手だから』)と歌詞(ED『君のことを知りたくて傷つけたりもしたけれど』)にも繋がるんですよね。あくまで私の想像ですが…。
ここからは私の中での、小さな論点的な感想を纏めます。
①あくまでもショートショートを多く入れる舞台として成立していた鉄ミュが、何故かこの話の歌部分に繰り返しのパートを採用しているのでしょうか?
そして、振り付けの違いは何故なのか。
うろ覚えな歌詞で申し訳ないですが、
飲んで食って 車内で無駄に騒いで
何故か一緒に怒られて
仙台まで着いたら 当然のように 夜だった
駅のホテル 空きは1室
どっちがソファで 寝るかとか
喧嘩して そのまま疲れて寝ちまって当然のように黒歴史
でも 俺は それを箱の中には仕舞わなかった
この歌詞を2回繰り返します。
この曲って別に繰り返さなくても十分長いじゃないですか。それなのに、繰り返す。
これについては、歌詞からすぐ分かるとは思います。
二人で飲んだ時は 話題に上がって
その度に 「あれは酷かった」
なんて 言い合ってた
『その度に』をわかりやすく表しているのかな、と私は思っています。強調表現とかに近いと考えています。
しかも、この歌詞の時に千代田はすごい笑ってるように見えるんですよね。
多分、演者である神里さんがイ段とエ段で口角が上がるタイプなんだと思います。だからこの歌詞部分はめっちゃ笑顔に見えるんですよね。多分…。
それと、『喧嘩して』の動きが1回目と2回目で変わっています。
1回目は、分かりやすく言うなら、お互いに取っ組み合いの喧嘩って感じです。
2回目は、常磐が千代田をポカポカ叩いているのを千代田はやり返さずに両手で身を守るようにしています。
ここの大きな変化はなんなのでしょうか?
東京公演中に見かけたツイートで、1回目は千代田目線、2回目は常磐目線というものがありました。
確かにそうかも!と思い、東京公演中は私もその感覚で見ていたのですが、『in the box.』はあくまでも千代田の気持ちの話なんですよね。
常磐の気持ちが分かるシーンはありません。常磐の気持ちの変化って、あくまでも読み手の書き方・演じ方によって変化するものだと思うんです。
そう考えると、これも『その度に』という歌詞に繋がるのではないか?と。
酒の肴にして面白おかしく話しているうちに、千代田の中であの二人旅は良い思い出になっていった。
1回目の『喧嘩』では結構千代田がガチな感じで掴みかかってるんですよ。
確かに、嫌いな人とか仲良くない人に対してわざわざ『仙台まで行け』って言われてもいかないし、この時点である程度仲は良いのでしょう。
同じ部屋で寝泊まりする時点である程度かも許してますよね。喧嘩ができるレベルなので、きっとそうだと思います。
それでもやっぱり1つのベッドで寝るのは抵抗があります。
なので、その時は本気で対抗しているんですが、二人で酒飲んでワイワイ言ってるうちに、『お前(常磐)が抵抗して暴れて、俺(千代田)はそれを受け止めてた(もしくは受け入れていた)』って事になってるのかな?と思い至りました。
あと改めて考えると、ホテルのドアを開けた時点で、二人はシングルルームに泊まることは受け入れてるはずなんですよね。
普通に考えたらそこそこ仲良くないとツインでも同部屋ってキツくないですか?私はキツイです…。
あと、原作からの変更点として千代田のモノローグが少しだけ変わったのも、二人の関係性を分かりやすくしてると思います。
原作では
二人で飲んだ時は時々話題に上がって その度に「あれは酷かった」という結論に達した
これがミュージカルでは前述した歌詞になっています。
『時々』という言葉がなくなり、『結論に達した』が『言い合ってた』に変わっている。
ミュの歌を聴くと、二人で飲んだ時に毎回言い合ってたのかな、と想像させられます。
この変化ってすごい大きいと思うんですよね。
もし、原作の『in the box.』及び原作全部を読んでいなかったとしても、この3分半の歌詞から二人の仲の良さや関係性をある程度把握できると思います。
あともう一点、凄くこの歌で大きいのは2人が歌っている、というところなんですよね。
原作では全部千代田の1人語りなのに、ミュは2人のデュエットだから何度も繰り返されて、千代田だけでなく常磐の中でも『美化されていく』思い出だったのではないでしょうか。
②第三弾にして初登場であった常磐と千代田のストーリーの時系列について
常磐線と千代田線のハロウィン→in the box.→例えが通じないヤツ、という流れが余計に箱のストーリー性を際立たせているのではないか、と私は思っています。
ハロウィンを見ると、千代田は常磐とアホやるのを楽しく思っていそうな感じがするんですよね。
ハイタッチするために手を挙げるのは千代田が先で、パッと見は常磐に付き合わされてるのかなとも思うんですけど、本当は千代田も楽しんでるんだと思います。
常磐と千代田の初登場シーンで、『面白いことをする2人』をイメージ付けて、『in the box.』のストーリーに入ります。
あーこの2人ってバカできるような関係性になるまでにも色々あったのか、ってすんなり入るストーリーの順番だと思うんですよね。
その後の、『例えが通じないヤツ』では
『悪意の無い他人弄って遊ぶのって趣味悪いと思うよ』
と銀座に言う千代田。
これコミックスで読むと、登場キャラクター多いし巻数もあるし、正直頭の中でストーリーが繋がらなかったけど、こうやって二時間半の舞台で出されると、この台詞の重みが尋常じゃなくなりますよね。
ハロウィンでふざける二人→相手の踏み込まれたく無いところに踏み込んでしまった千代田→仙台で『黒歴史』と言う名の思い出を共有した二人→再び常磐を傷付けたと思う千代田
この流れでこの台詞って、本当にめちゃめちゃ重くないですか?
私の考えなんですが、多分『in the box.』の千代田が言った『うん 行こう きっと行ける』という言葉は、常磐がその時望んでいた言葉じゃなかった、というだけで、彼は傷付いた訳では無いのではないでしょうか。
ただただ、今までみたいな軽口を交わして安心したかったのかな、と思います。
けれど、千代田にとってはそれが相手を傷付けた言葉になった、と思っているのかもしれないです。
だから、この銀座とのシーンで嫌がったのかなって思うんですよね。ハロウィンのノリを見れば、二人がふざけあう相手なのは分かりますし。
その関係性でも、やっぱり遠慮というか踏み込んじゃいけないラインが千代田にはあるんだと思います。
③原作とミュにおける千代田の違い
ここも凄い大きい点だと考えています。個人的には。
①で前述した通り、千代田役の神里さんって歌う時とか話す時に口角が上がって笑っているように見えるタイプじゃないかな、と思っています。
だからこそ、常磐と千代田の曲ですごく楽しそうに見える。
ニコ生で最速放送されてから、BGM的な感じでこの曲を聴いているんですけど、ミュを見た時のイメージよりもすごく悲しい曲に思えてきたんです。
19回見て、すごく楽しい歌だと思っていた歌が、実はオルゴール調のしっとりしたメロディだし、歌い方も特にポップな感じでも無い。
実際に歌っているのを見た時とは印象が全然違くて、改めて演者のお二人の雰囲気が大きかったのかな、と。
それと、神里さんの千代田って原作に比べて感情的と言うか結構グイグイ喋るよね、って初日に思ったんですよね。
特に私がびっくりしたのが『仕事しながら飲んでも良いのかよ』という台詞です。
ここも原作とは少し違う台詞ですし、まずどちらも千代田が心の中で思ったけど口には出さなかった言葉です。
演劇である以上そりゃ口に出すのは分かる。けれど、「千代田ってこんなテンションで突っ込めるの!?」ってめちゃめちゃ驚いたんですよ、私。
EDの千代田パートでも、めっちゃ存在アピールするし。ミュの千代田はクセになるレベルでキャラが濃いと思ってます。
あと、ミュの千代田ってめっちゃ笑い声っていうか息吐く感じで笑いますよね。
ビール受け取った後にフッと笑ったり、肩にもたれて眠る常磐を見て少し微笑んだりとか。
他にも、曲が始まる直前の乾杯も突然酒持って現れた同僚に合わせてちゃんと言ってあげてるの、すごい優しいじゃないですか。
原作の千代田も思いやりがちゃんと見えるキャラクターですが、ミュ版はさらに分かりやすく表面化してますよね。
④原作以上に『二人』である事を意識・強調している
これは原作の『in the box.』でもそうだけど、登場キャラクターは常磐と千代田の二人だけです。
約10分の話の中で二人しか出てこないって鉄ミュの中でも珍しいんじゃないかな?
特にこの『二人』である事を強調してるのが歌の中。
二人で飲んだ時は話題にあがって その度にあれは酷かったなんて言い合ってた
いつでも行けるはずだったんだ
あんなに俺たち 最高だったから
いつでも行けるさ 俺とお前なら
何度も酒の肴にして 二人で笑って その度話が盛られて ひどく美化されていくような気がした
この歌詞ってどれも『二人』じゃなきゃ成り立たないんですよね。
十分間の二人芝居で3分半の歌。
その中でこれだけ『二人』を強調している。
原作だと、この仙台旅行は他の同僚にはあまり話してなかったとモノローグが入っています。その時に千代田と呑んでるのは東西でしょうか?
ミュでは二人芝居である以上、その描写はないけれど仙台旅行が常磐と千代田の二人の共有している思い出の中でも濃い物なんだろう。
多分それを『箱の中』に仕舞うのは勇気がいると思います。
⑤『in the box.』とお弁当箱
これすごいですよね!
この話とこの話を繋げるか!?スゲー!!
初日を見た後、そういう気持ちになりました。
純粋にそこ繋げるのすごいなって思いましたし、千代田のモノローグでお弁当箱を見つめて言ってたのも凄く分かりやすくて好きです。
二人のふざけあう関係性を最初に見せてから、本編に入る。
すぐに黎明編に入るよりも、ハロウィンの流れを軽く続けている事で温度差も無いし分かりやすくなるよね、と思いました。
これは余談ですが、東京公演のいつだったか覚えていないんですけど(多分後半あたりだったと思う)、『知ってますよ』の台詞の後に小さく笑っていて、私が見た公演の中でダントツ性格悪そうな千代田だったんです。これ。
最後に。
初日を見た後、ツイッターで「ミュの千代田、彼氏力がすごい」みたいなツイートをしたんですけど、
大千秋楽を終えた今「ミュの千代田って、鉄ミュ3の登場キャラクターの中で一番人間染みているのでは?」と思っています。
東日本大地震で、被災地にいた人(常磐)に対して、大きな物的被害は受けなかった人(千代田)がどう接して良いのか、どの声掛けが正解だったのか。
これって凄く難しい問いだし、多分人によって答えも変わるし、と言うより答えがあるかも分からない。
けれど、まだ終わった話じゃないんですよね。
これからも続いていくものであって、終わりがまだ見えない。
どのタイミングで千代田が箱を開けるのかも分からないけど。いつか箱を開けて、中身に触れる事が出来る日が来るのを待っています。
けど、原作の千代田ってちょいちょい箱の中に触れてる感じもする。エラーとかもそうだし、多分お弁当箱の1段目の少しくらいは開けてるんだと思う。
ここまで読んでくださってありがとうございました。次は仙台で常磐と千代田を見たいですね!
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20220806追記
iTunesに鉄ミュ曲が配信されたので、『常磐と千代田の旅』を聴きながら、改めて自分で読んでみました。
限界オタクって感じがして我ながら面白かったです。頑張って書いたんだな…、四年前の私…。
所々気になる文章を修正して、本日再度上げ直しました。
このブログ記事を投稿した当時、たくさんの方に読んでいただきとても嬉しかったのを覚えております。
懐かしいのと同時に、やはりとても好きなストーリーだなぁと、改めて思いました。
たくさんの人に観てもらいたい舞台です。